SUSパイプのサイズの選び方！外径と肉厚の違いとは？

外径の注意点

適切な外径を選ぶことができないと、以下のような問題が発生する可能性があります。

• 設置スペースに収まらない：パイプが大きすぎると、予定された設置場所に収めることが難しくなることがあります。
• 接続不良：接続部品とサイズが合わない場合、漏れや接続部の破損リスクが高まります。
• 流量の問題：外径が小さすぎると、流体や気体が流れる際の流量が不足し、逆に外径が大きすぎると流れが制御しにくくなることがあります。

したがって、用途やシステムに応じた外径を選ぶことは、効率的で安全な運用を確保するために重要です。

外径の選び方

外径は、主に使用するシステムや装置との接続部分のサイズに基づいて選定されます。

また、外径が大きいほど強度が増し、耐久性が向上しますが、その分コストや設置の難易度も増します。

そのため、必要な強度や流量を考慮して、最適な外径を選定することが求められます。

例えば、配管が流す流体の量や圧力に応じて、適切な外径が決定されます。

外径が大きくなればなるほど、流量が増し、高圧にも耐えられるようになりますが、その分スペースが必要になります。

肉厚の役割

肉厚が薄すぎると、圧力に耐えきれずパイプが破裂したり、変形したりする可能性があります。

また、肉厚が厚すぎると、その分コストが増え、設置や加工が難しくなる場合もあります。

適切な肉厚を選ぶことで、強度とコストのバランスを最適化し、長期間にわたって安全に使用できる配管システムを構築することが可能です。

肉厚の選び方

肉厚を選定する際には、以下の要素を考慮する必要があります：

• 使用圧力：流体や気体が通る際の圧力に耐えられる肉厚を選ぶ必要があります。高圧の場合は、より厚い肉厚が必要です。
• 温度条件：高温や低温に晒される環境では、熱膨張や収縮に対応できる肉厚が必要です。温度が極端な場合、通常よりも厚めの肉厚を選ぶことが推奨されます。
• 耐腐食性：腐食しやすい環境（海水や化学薬品に触れる場所など）では、腐食による劣化を防ぐために肉厚を厚めに設定することが必要です。

例えば、化学工場で使用される配管では、腐食性の高い液体が流れるため、耐腐食性を考慮して肉厚を決定する必要があります。

また、高温高圧の環境では、より厚い肉厚のパイプが選ばれることが多いです。

工業用途

工業用途では、高圧や高温の環境で使用されることが多いため、耐圧性や耐久性が非常に重要です。石油やガスの配管では、特に高い圧力に耐える必要があるため、肉厚の厚いパイプが必要です。

また、化学工業では、腐食性のある薬品に耐えるため、外径だけでなく肉厚にも配慮して選定します。

建築用途

建築用途では、美観やスペースの制約も考慮する必要があります。外径が大きすぎるとデザイン上の制約が生じることがあるため、見た目と機能のバランスを取ったサイズ選定が求められます。

また、建物外部に露出する場合は、腐食や環境の影響を考慮した肉厚の選定も重要です。

食品・医療用途

食品加工や医療分野では、衛生面が特に重視されるため、表面の滑らかさや耐腐食性が求められます。

特に、流れる液体の種類や流量に応じて適切な外径と肉厚を選び、衛生面を確保しながら効率的に運用できるようにする必要があります。

規格とサイズの選定

SUSパイプを選ぶ際は、各国の規格に基づいたサイズ表を参照することが一般的です。日本国内ではJIS規格が広く使われていますが、国際規格（ISO）やアメリカのANSI規格なども参考にすることができます。これらの規格に従って外径や肉厚を選定することで、適切なサイズのSUSパイプを選ぶことができます。