食品工場の配管設計に欠かせないフレキ管の選定ポイントを解説

フレキ管で変わる、食品工場の配管設計。

食品工場では、衛生管理やメンテナンス性を重視した設備づくりが求められます。中でも配管は、原料や洗浄水、蒸気などが通る重要な部分であり、わずかな劣化や設計ミスが生産効率や安全性に直結します。その中核を担うのが「フレキ管」です。

食品工場ではシリコン製フレキ管が主流で、破れや膨張、折れ曲がりを防止するために内部にステンレス骨材を配した構造のものが多く使用されています。しかし、サイズ選定や変位方向の設計を誤ると、想定外の応力や破損の原因にもなります。

ここでは、食品工場の配管設計・保守を担当する方に向けて、フレキ管を効果的に導入するためのポイントを解説します。

そもそもフレキ管とは?

そもそもフレキ管とは?

フレキ管とは、「フレキシブルチューブ(Flexible Tube)」の略称で、食品工場においては主にシリコン製の素材が用いられます。シリコン自体の柔軟性を活かしつつ、内圧による膨張や外部応力による折れ曲がり、破れを防ぐためにステンレスの骨材が組み込まれているのが一般的です。

また、接続箇所も滑らかにフランジやヘルールへ移行するように加工されており、液溜まりを防ぐ衛生的な構造(サニタリー仕様)が大きな特徴です。外力に対して柔軟な特性を持ち、機器間の接続や振動吸収、わずかな芯ずれの補正などに用いられます。なお、サニタリー用途において「収縮性」は好まれないため、基本的には振動や動きへの追従が主な目的となります。

食品工場でシリコン製フレキ管が多く採用されるのは、耐食性と清掃性に優れ、衛生環境を維持しやすいからです。また、蒸気・温水・エア・洗浄液など、複数の系統に対応できる柔軟性も特長です。

さらに、設置スペースに制約がある場所での配管や、わずかな芯ずれがある場合、あるいは振動の伝達を抑えたい場面で重宝されます。「くねくねと自由に曲げられる」という認識は間違いであり、正しくは「相手側が動く場合や、微細な位置調整」のために活用される部材です。

ただし、柔軟であるがゆえに誤った取り扱いをすると、ねじれや応力集中によって破損するリスクもあるため、正しい知識と施工が欠かせません。

最適なサイズ選定でトラブルを防ぐ

最適なサイズ選定でトラブルを防ぐ

フレキ管のサイズを選ぶ際は、単に「既存配管と同じ口径に合わせる」だけでは不十分です。流体の種類や温度、圧力、流量を考慮し、最適な内径を選ぶ必要があります。特に食品工場では、洗浄水・蒸気・エアラインなど多様な用途に使われるため、流速や温度変化の影響を見落としがちです。

適正流速を保つことの重要性

サイズ選定で最も重視すべきは、流速を適正範囲に保つことです。管径が細すぎると流速が過剰になり、内部摩擦や振動が増加します。これにより、配管の摩耗・ノイズ・破損が早まるリスクが高まります。

一方で、太すぎる管を選ぶと流速が落ち、内部に液体が滞留してしまうことがあります。これは衛生面でのリスク(微生物繁殖・洗浄不良)を招くため、食品工場では特に注意が必要です。

配管メーカーが推奨する流速範囲を参考にし、システム全体で流体のバランスをとることが理想的です。

曲げ半径と取り回しの考慮

また、フレキ管には構造上、許容される最小曲げ半径が存在します。設計時には、この半径を下回らないよう余裕をもたせて取り回しを検討することが大切です。

寸法をギリギリで設計すると、応力集中やねじれが発生しやすくなり、長期的にはピンホール(微小な漏れ)や本体が破れてしまう原因となります。現場では、設置スペースに対して少し長めに確保し、ゆとりをもたせたルーティングを行うのが安全です。

さらに、固定金具やサポート位置を適切に配置することで、振動や荷重の偏りを防ぎ、耐久性を高められます。

変位方向を正しく理解して長寿命化

フレキ管は「柔軟に動く」ことで配管のズレや振動を吸収できる便利な部材ですが、動く方向を正しく理解して設計しなければ、早期の破損や漏れを招くことがあります。

変位には主に「軸方向(伸び縮み)」「横方向(横ずれ)」「角度方向(曲げ)」の3つがあり、それぞれに合った設置方法が必要です。

軸方向の変位は、温度変化による配管の膨張などで起こるため、フレキ管を無理に押し込んだり引っ張ったりせず、余裕をもたせた長さで設計することが重要です。横方向の変位は、地盤沈下や機器の振動で発生しやすいため、フレキ管を直線に取り付けず、ゆるやかなカーブをつけて応力を分散させます。

角度方向の変位では、最小曲げ半径を守り、急な角度で取り付けないよう注意が必要です。さらに、支持金具やスリーブを併用して余分な力を逃がすことで、本体の破損を防ぎ、耐用年数を大きく延ばせます。

変位方向を意識した設計と取り付けは、フレキ管の性能を最大限に活かし、安全で衛生的な配管システムを維持するための基本なのです。

フレキ管取り付けの流れ

フレキ管の取り付け作業では、見た目以上に細かい配慮が必要です。取り付けの流れを正しく理解し、工程ごとに注意点を押さえることが、トラブル防止と長期安定稼働の鍵になります。

接続部の確認

まずは、配管とフレキ管の接続部に異物や汚れが残っていないかを丁寧に確認します。

食品工場では衛生面が最優先であり、わずかな汚れや金属粉、シール材のカスでも流体を汚染する恐れがあります。組み付け前には必ずエアブローやウエスで清掃し、接続面を清潔な状態に保つことが重要です。

さらに、清掃が適切に行われているかを確認するために、「ルミテスター」という機器でふき取り検査を実施することもあります。ルミテスターは、表面に残った汚れを機械で数値化して示してくれるもので、目視では分かりにくい汚れの残り具合をチェックできます。

これにより、製品の品質維持や異物混入リスクの低減につながります。

仮組みと位置調整

次に、配管全体の位置関係と勾配を確認しながら、フレキ管を仮組みします。この段階で無理な曲げやねじれ、ねじ込み方向のズレがあると、使用中に本体の破れや漏れが発生する原因となります。

寸法が合わない場合は、角度調整金具や継手を適切に利用し、フレキ管にかかるストレスを分散させます。また、仮組み状態で一度全体を確認することで、設置後のメンテナンス性や洗浄のしやすさも確保できます。

本締め

仮組みで問題がなければ、本締め作業に移ります。このときは必ず専用工具を使用し、規定トルクで締め付けることが大切です。

締めすぎるとシール材やパッキンが変形し、かえって密閉性を損ねる恐れがあります。一方で、締め付けが緩いと漏れや振動の原因となるため、メーカーが定めるトルク値を基準に慎重に調整します。

最後に、全体の位置ズレや支持金具の固定状態も再確認しておきましょう。

リークテスト・清掃

本締め後は、通水または通気によるリークテストを行い、接続部や曲げ部からの漏れがないか確認します。同時に、振動や異音が発生していないかもチェックし、問題があれば再調整します。

テスト完了後は、食品衛生に適した中性洗浄剤やアルコールなどを使用し、外面の油分・指紋・汚れを除去します。この仕上げ清掃は見落とされがちですが、作業中に付着した微細な汚れを取り除くことで、異物混入や腐食のリスクを防止できます。

清潔な状態で配管ラインを稼働させることが、衛生管理の基本なのです。

長く安全に使うための配管設計を

食品工場での配管設計は、衛生・安全・効率のすべてを支える重要な要素です。フレキ管はその柔軟性から、レイアウト変更や振動対策にも適していますが、サイズ選定・変位方向・取り付け方法を誤ると、かえってリスクを生みます。

正しい知識と設計をもって選定・施工すれば、長期にわたって安定した稼働と清潔な環境を維持できます。日常点検と定期的な交換を計画に組み込み、安全で衛生的な生産ラインを築いていきましょう。

SUS管ストアでは、食品工場に最適なサニタリー配管部材を多く取り揃えております。自社在庫からの即日出荷・最短翌日配送に対応し、工場やプラントの緊急対応・設備改修にもスピーディーに対応可能です。

また、既製品はもちろん、オリジナル商品・部品の開発なども承っております。

必要な部材が決まっている方も、これから検討したい方も、まずはお気軽にお問い合わせください。

食品工場の配管・フレキ管ならSUS管ストア

店名 SUS管ストア
会社名称 有限会社ユウアイ
代表取締役 米堂 一征
設立 1996年6月
住所 〒099-0621 北海道紋別郡遠軽町生田原水穂154−35
電話番号 0158-46-2550
メールアドレス info@yuaiinc.co.jp
電話受付時間 9:00~17:00(月~金)
URL https://www.suskan.jp/
事業内容 充填設備、パッキング設備、包装設備の開発・製造・輸出入・販売・施工・メンテナンス資材の開発・製造・輸出入・販売

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